ごあいさつ

設立に際してのメッセージ~東日本大震災に何を学ぶか~

2011年3月11日、顧問(危機管理アドバイザー)として勤務している川崎市役所危機管理室で、私はただならぬ大きく長い揺れに遭遇し、とっさに机の下に身を潜らせました。
当日は深夜まで川崎市役所の緊急幹部会議や(帰宅困難者対策など)緊急対応を打ち出す任務に従事、結局、当夜は付近のホテルに宿泊しました。
次々に映し出される津波の映像は現実のものとは思えず、ただただ目を覆うばかりでした。
それから連日繰り広げられた福島第一原発事故への対応もどうなるものかと肝を冷やしました(現在でも多くの避難者が存在していることに胸を痛めています)。
警察、防衛、内閣、外務など危機管理に関連する役所での勤務を経て、現在は大学の教壇に立ち、危機管理を研究、執筆や講演などして来た私にとっては、今までやってきたことの、根本的な欠陥や非力さを思い知らされるばかりでした。
その後、可能な限り被災各地の現場に立つなど教訓を収集、我がこととして受け止め、今後の活動に活かすべく努力しました。
個人的には、東北出身の私にとって、身近な被災者も少なくありませんでした。

本機構を設立しようと思ったのは、白日の下に晒されることになった、過去やってきたことへの反省と、わが国および国民の危機対応面で、突きつけられた諸問題点への私なりの解答とでもいうものでした。
苦しいこといやなことなど、あまりにも忘れやすい国民性はどう考えたらいいのか。
感情的な面には優れているが、理性的な面では問題が多いようでした。
また、抜本的に対応するのではなく対処療法に走りがちな国民性は上から下までどうしようもないのか。
こうした国民性を直視することなくしては、必ずややってくる次なる大地震や大津波などで、今回と同様の悲劇を繰り返すことになってしまいます。
そうした危機感は日増しに高まって行きました。東日本大震災を経験した私たちは、今回の犠牲者から真剣に学び、少しでも危機への対応での真剣な学習をしなければなりません。
そうすることが私たちの子々孫々への義務でもあります。
とはいっても、本機構は何も特別な、難しいことをしようというのではありません。
それぞれの立場でそれぞれの可能な範囲の何ほどかの働きかけをしていこうではないか・・・ということが原点です。
東日本大震災という共通体験を持つ私たちは、それぞれの何かしなければならない・・・という、各自の思いを持ち寄って、それぞれの可能な範囲での活動をより持続的・より効率的にしたいと願っています。
そうした思いを持ち寄って、本機構は発足しました。

本機構の活動は、基本的には、それぞれの経験と能力を持ち寄ったものであって、それぞれの信念に従ってのボランティア活動です。
趣旨に賛同していただける方々の参加を心からお願いいたします。
一緒にやりましょうと・・・。
特に、専門的な知識経験を持っているに方は、本機構に寄せられる会員の様々な要請に応じていただき、そういうスタッフ的な働きをしていただける方の参加を心からお願いいたします。
本機構は様々な分野の方々のネットワークを構築したいと願っています。
様々な分野の専門家をコーディネートすることで、よりいっそう幅広いニーズに応じられるようにし、本機構はそうした場を提供したいと考えています。
企業の皆さんには、反社会勢力に関する問題、コンプライアンス関連など企業ならではの様々な危機対応課題がありますが、本機構はそうした各企業のニーズに対応いたします。
学生の皆さんはボランティア活動への関心が高まっていることでしょう。
本機構はボランティア活動の知識・技能の習得や訓練などの場を提供いたします。

子どもさんが犯罪被害者になることを心配する親御さんも多いでしょう。
そうした地域の各種防犯活動も支援いたします。
個人的に護身術を身に付けたいという方もいるでしょう。
そういうニーズにも可能な限り対応いたします。
退職後の社会参加として、町内会での地域の防犯・防災活動に関心のある方もいるでしょう。
そういう方々に知識・ノウハウの提供や経験交流の場を提供いたします。

本機構は、その他、様々な形での危機対応力を養成・向上させたいという人々が集い、交流する場でありたいと考えています。
関連する様々なNPO活動を既にしておられる方々にも、本機構を仲間として活用していただけたらありがたいと思います。
本機構は危機対応に関心を持つすべての人々の母港となり、そこに集う人の交流の場であり、支援を求める人には皆で協力していきたいと思います。
一人でも多くの皆さんが本機構に集い、結果としてわが国の危機対応力が一段と強固なものとなることを念じています。
一人でも多くの方々が本機構に集い、それぞれの目指すところに従って活動していただき、こうした趣旨に賛同する企業や個人の物心両面でのご支援を心から願っています。
何はともかく、最初の一歩を踏み出すことです。一緒にやりましょう。

東日本大震災を経験した私たちは、その義務として犠牲になられた方々の声なき声に耳を傾け、災害の教訓に学ばなければならないと思います。
私たち自身が決して忘れないばかりか、子々孫々にその教訓を語り継ぎ、この教訓を末代までの財産としていきたいものと考えます。
私たちは、どちらかというと理性的というより精神的で、とりわけ理論的に原因を究明して二度と同じ過ちを起さないための万全の方策を立てる・・・といった類の対応をとることは苦手なようです。
これらはいわば国民性という類のもので、容易には変わらないでしょう。容易に変わらない程度のものだから国民性といわれるというものです。
このたび、危機管理能力開発機構(危機対応能力開発機構)を設立し、国民一人ひとりが少しでも自らと自らの愛する人々のために、危機への対応能力を向上させようという働きがけをしたいという同士が集う場を作りました。
本機構は、危機対応能力を学びたい、一緒に学ぼうと周囲に声をかけたい、自分の持っている経験や知識・能力を役立てたい・・・という気持ちを持っている方々はすべて仲間と考えます。
それぞれがそれぞれのやり方で行動するのです。危機対応に関する活動の情報交換の場を提供いたします。
また、各種専門家による危機対応に関する個別のコンサルティング要望などのも対応いたします。
こうした活動にご賛同ご支援いただきますよう、宜しくお願いいたします。

NPO法人 危機対応能力開発機構
理事長 大 貫 啓 行

理事長 大貫 啓行

プロフィールはこちらから(PDF:96KB)

警察入庁以来、内閣官房、外務、防衛などの各省庁出向を含め、中国を主とした国際情報報分析一筋約30年の実務を経験

■著書
「変革~日本の対外姿勢と危機管理」、「現代中国の群像」、「説得力の要請」、「国際紛争と日本の選択」、「暮らしの法学~安心を与える社会システム」、「暮らしの行政~私と公の共生システム」(以上麗澤大学出版会) 「中国はどこに向かう」(白金出版)

■論文
「災害に関する危機管理」、「雲仙普賢岳噴火災害警備考」、「公務員における意識改革の現状」、「在ペルー大使館公邸占拠事件の考察」、「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要等)

※テレビ、ラジオ、新聞、専門誌、雑誌等で執筆評論・コメント多数



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